2009年12月29日火曜日

我々は遠くから来た、そして遠くまで行くのだ・・・

最近、また(4度目くらい?)白土三平作「忍者武芸帳 影丸伝」の復刻版が出ている。何回も出ている旧作の復刻だが、今回は初出誌の貸本時代の装丁をカラー項を含めて再現するというもので、何回も読んでいる私でも思ってもみない発見があるようになっている。
そして何より、かっこいいのが表紙だ。現代の漫画からみれば古臭い部分もあるが、それでも色使い、構図、線の鋭さ等は今の作家には描けないものがあると感じる。井上雄彦が「バカボンド」でやっている漫画的表現は、既に白土三平によって40年以上前に行われていたのだと感じる。
後期の白土の絵柄より、影丸伝からカムイ外伝(第一部)までくらいが一番好きな自分としては、中学生時代以来日本マンガの頂点のひとつだと思ってきたが、今回の忠実復刻版を読んで、その思いを新たにした。
最近、会社の同僚にも勧めてみたのだが、同年代で初読するにはその面白さは分からないようであった。
昔、本作がA4ハードカバーの上下巻で出たときの、売り文句は「彼のように生きたい、彼のように死にたい。」だったが、まさに今読んでもそう思う。影丸のように生きることこそ、男子の本懐であろう。
忍者武芸帳こそ、その時代が奇跡的にいろんな要素を結晶化させて誕生せしめた日本マンガ最高峰だろう。


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匿名 さんのコメント...

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