2015年3月19日木曜日

機動戦士ガンダム ジ・オリジン ~青い瞳のキャスバル~


先日、会社の同僚と「青い瞳のキャスバル」を観に行ってきた。
短期間の上映のためか、平日の21時からの回にしては観客が多かった。
年層は予想どおり高めだ。
流石、ファースト世代は歳を重ねて来ているw
映画は一時間程なので、またぶった切りの半端ストーリーだろうとたかをくくっていたのだが、その1時間が長く感じる程の濃密な展開で、アッパレという出来だった。
ファースト以前の時代を描くことは、かなり成功したと言えるのではないだろうか。
ただ、やむを得ないことだが、既存のキャラを描きすぎたため、世界観が小さくなってしまったようだ。
この辺りは原作付きの宿命だろう。
あれほどの過去があるにも関わらず、本編の時代にそれほど人間関係が濃くないのは、矛盾と言えるだろう。
ダイクン家とランバ・ラルにあそこまでの関わりは必要無かったのかもしれない。

今回、タイトルはキャスバル=シャアだが、見所はザビ家の面々の描かれ方だろう。
ドズル、キシリアは分かりやすい描かれ方をしており!なるほどと直ぐに納得することが出来る。
良かったのは、デギンとギレンのやり取りである。
特にデギンの台詞はかなり痺れる名言であった。
ガンダム史的には、ギレンの圧倒的な政治家としての評価が定まっているが、デギンは単なる政治的デマゴーグに収まらない、哲学者または歴史研究家のような深みまで描かれていたような気がする。

イデオロギー運動において、理想家のジオンをそのまま戴くことの危うさを最も理解していたのが、一番の理解者であるデギンであったことが、非常に哀しく、物語に重厚さを与えていた。
ある意味、ザビ家でなければならなかった歴史の必然を証明する物語でもあった。

今から次回の「悲しみのアルテシア」が楽しみである。
しかし、何回やって完結させる気なのだろうか?

・機動戦士ガンダム ジ・オリジン ~青い瞳のキャスバル~ ・・・・・・ 8点

次回はウォシャウスキー姉弟の「シュピター」か。

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