2010年5月9日日曜日

タイタンの戦い


ゴールデンウィークに男泣きの面々(今回も会長は休み)と今年前半の目玉「タイタンの戦い」に行ってまいりました。この映画3Dもあったらしいのだが、ジストには無かったため、通常版を見た。21時ごろの回で封切1週間目の映画としては少ない観客数だった。
とりあえず、最近観た1981年版の「タイタンの戦い」との違いを楽しもうと思っていたのだが、いい意味でまったく違ったアプローチがされており非常に面白かった。(リスペクトもいろいろとあり、知っている人間にはニヤリッとさせる演出がそこかしこにあった)しかし、新作として普通に観た観客にはよくある単純な英雄談として、退屈で単純な物語と思われたことであろう。
言うまでもなくオリンポスの神々といえど、人間とは天地の開きのある能力を有しており、いくらペルセウスがゼウスの子でも、神々相手には戦うことは出来ないことがよく画面から伝わってきた。このような無双な力を有した神々に対して、人間に出来ることは服従だけだろう。事実、過去の「タイタンの戦い」ではペルセウスを始めとしたメインキャラ達は神々と争うことなど考えてもいなかった。今回は人間賛歌を唄いつつペルセウスが”人”として運命に立ち向かう姿を基本に据えているのだが、物語上にどれだけ意味があったかは疑問だが、その味付けが過去の作品との差別化になり、飽きさせなかった。
ストーリーの結末も神話無視の帰結に至るのだが、まあこれはこれでよいと感じた。
メデューサとかも美しく、この蛇になら絞め殺されたいと思う妖艶さだった。(個人的にはカシオペアもよかったw)
1981年の「タイタンの戦い」は中学生になりたての頃で、とても観たかったのだが見に行けず、長らく心残りになっていた作品で、個人的には非常に思い入れがある。その作品を30年後にDVDをじっくり見ての感想は複雑なものであったが、今回の「タイタンの戦い」を観た後に感じているのは、また何十年後に新解釈の英雄神話として観てみたいということだ。突き抜けた作品ではなくても、神話のプロットにはいろんな要素が含まれており、年齢ごとにその感じるところは違い、そのことを静かに語りかけてくるのが人類の最初期に書かれた英雄譚の一つであるこの作品であろう。
 ・タイタンの戦い・・・・・8点
今回はちょっと甘いかな。では。

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