結局のところ「レッドクリフⅡ」は観に行ってしまった。
結論を言えば、観なくてもよかった。前編と変わらない(よく言えば違和感無い)続編だった。しかし、気持ち悪いのが、中国人であるジョン・ウーがアメリカ(というか世界的にごまんといるいわゆる映画好き、アルマゲドンとかタイタニックとかに感動しちゃう人)を意識した、東洋的価値観を無視したラノベファンタジー化した三国志を作ったことだ。似たような過去の戦争を映画化したものはいくつかあるが、その中でも噴飯物だった「キングダム オブ ヘブン」級の歴史考証無しの映画作りは、自国の文化遺産である物語を金で売ったとしか言えないと思った。
三国志は言わずとしれた権謀術中を凝らした、嘘と裏切り、欲望の世界だったはずである。その中で劉備と義兄弟が義を貫くからこそ輝く物語である。それを周諭と孔明の友情物語にするとはなんたることか!それが最後まで孔明は裏切らず、あまつさえ小蕎まで戦場に出てきて勝利のカギまで握っている始末。曹操は終始盲言と嬌りで小物感ばっちりで配下の武将も空気扱いというステレオタイプ、魏が馬鹿で地味なサウロン軍に思えてくるような現実感の薄い、超時空中国史でした。(三国志ファンの諸兄には是非ラストを観て、コーヒーを噴いていただきたいw)
これは間違っても原典を知っている日本人には通じるものか!と思ったら、映画館はウォッチメンの20倍くらいの大盛況でしたw
・レッドクリフⅡ…(6点)
映画としてはセット、衣装はしっかり作られている。しかし、シナリオが、日中スターの見せ場を無理やり作りすぎたため、肝心の世界感が薄っぺらになって軽い戦場恋愛物もどきになってしまった残念な作品。前後編も中身的には一本の映画できる程度だった。商魂だけたくましいことは認めるw
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