2008年5月18日日曜日

ウィルダネス三十朗2(果てへの旅8)



 本日は先月果たせなかった赤城山登頂を目指し、朝早くから出かけた、赤城山のバスの終着駅には12時に着いた。ちなみに前橋からの片道運賃は1730円(580円+1150円)である。所要時間はおよそ90分、微妙な遠さである。

 今回は乗っている客も多く、初老の男女11名のグループ、その他は中年のソロ男5名ほど。最初に乗っていた買い物帰りの老人、リーマンが降りてしまうとバスは赤城山のすそ野を登りだす。それと同時に料金も鰻登りに上がっていくのは、完全な観光用の料金体系か…

 バスは美しい白樺やブナの新緑帯を抜け、赤城山の外輪山の1400超の標高を越えて大沼近くのビジターセンター前に到着した。さすが山が高いため、ペットボトルは200円だ。予備のスポーツドリンクを購入し、ビジターセンター近くの覚満淵という一周500メートルほどの沼地を見て回った。

 次のバスは3時間後なので、低い山に登ろうと最高峰黒檜山につづく尾根の駒ヶ岳を目指すことにした。マップ上は登り50分とあった。かなり久しぶりの登山だが、記憶にあるより厳しい。足が重くなってきた。

 休みながら、写真を撮りながら一時間以上かけて駒ヶ岳の頂上に立ったとき、ふと思った。”まだいける!”根拠のない自信が沸きだし、予定を急遽変更して黒檜山に登ることを決意した。このとき朝からの雲が取れて、太陽が雲から覗き、あたりは美しい初夏の山の様相で広がっていた。

 駒ヶ岳のピークを過ぎると一度100メートルほど降りたのちに、黒檜山の頂上まで標高差約200メートル超を1キロほどの行程で登ることになる。この登りが人生最大の山登りとなった。
 なにせ傾斜がきつくほとんど休むところがないため、休憩もままならずほとんどピラミット奴隷のような気持ちでのろのろと登っていた。膝が痛みだす。考えるのをやめた頃尾根にたどり着いた。そのまま、ついに頂上に立つ。しかし、黒檜山に登る途中から沸きだした雲に覆われ、展望は得られなかった。これもわが人生でよくあることだ。

 頂上付近の祠で休憩し、チップスターを全部食べきった。昔八百屋の友人が疲れた体には塩が効く、と言っていたが、まさしく塩が旨い。上に羽織る物を持ってこなかった上に、食べ物も他にないため早々に寒い頂上を辞し、来た登山道とは違う急な下り坂を降りることにした。この道は標高差500メートルをわずか1.1キロで登るすさまじい激下りだ。そして一時間以上かかって、午後4時頃足を引きずるようにして下の国道に出てきたとき、当分登山はいいと思った。冷えた体を大沼湖畔のみやげ物屋の舞茸天麩羅うどんで温めた。

”本当に疲れたよ、パトラッシュ…”

なお、この文書は帰りの高崎線で書いている。部屋には当分着きそうにない。疲れたよ…

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